クロダイとは?どんな魚?特徴や生態。

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呼び名

クロダイは出世魚である。成長によって呼び名が変わる。関東では幼魚から成魚まで、チンチン→カイズ→クロダイと呼び名が変わる。関西ではババタレ→チヌ→オオスケと変わる。
関西では「チヌ」と呼ばれ、他にもクロ、チンなどと呼び方も色々だ。「クロ」などはメジナもクロと呼ぶ地方もあり、重複するので注意したい。以前、九州から来たお客さんと打ち合わせの際に、僕のPCに表示されている壁紙のメジナを見て、「それ、クロですよね?」と言われた。僕は「いいえ。これはグレです」と答えたのだが、お客様はあまり釣りに詳しくなく、私も知識がなかったので、話が通じ合わなかった。
釣り人からは、50cm以上の大型を「年無し」、60cm以上を「ロクマル」と呼ぶ。930年代に編纂された「和名抄」には、久呂太比 ( くろたい ) と残されているようだ。

特徴

真鯛ほど大きく成長しない。最大70cmを超える個体が確認されている。釣りや漁では30cm前後が多い。なので釣り人は50cm以上の年無しを目標にしたりする。個体数が少ないため、釣ることが難しいと言われている。
魚体は名前の通り黒色。銀色に光る灰色と表現する人もいる。腹は白い。体型は平たく、典型的な鯛の型。マダイの顔は丸まっているがそれに比べると口が前に若干突き出している。歯がいっぱいあり、顎が強く、かまれると痛い。
背びれは縦に伸び、とんがっている。野武士のようでカッコいいと言われるのは、この背びれの見た目もそうさせるのだろう。

生態

日本全国どこにでもいる。堤防や港はもちろん、人間が生活する、河川の淡水域まで遡上することもある。環境への適応力が高い。岩礁から砂泥、汚染にも比較的強いため東京湾や大阪湾など、工業地帯の港湾にも多く生息する。
冬は深みに移動する。夏は水深1-2mの浅場に来ることもある。
産卵は春に行われる。この時期を釣り人は、乗っ込みと呼び、産卵をする大型の黒鯛を狙って釣りをする。藻がある場所などに産卵する。生後1年で体長12cm、5年で26cm、9年で40cmほどに成長する。マダイと比べると成長が遅い。
成魚は雑食で小魚や甲殻類、貝類など何でも食べる。スイカなど海には無いようなものまで捕食する。
成長によって性転換する魚としても知られる。性転換する魚はメス→オスが一般的(マダイ等)だが、クロダイは、オス→メスに性転換する。
2歳~3歳までは精巣があるが、4–5歳になると卵巣が発達してメスになる。全てがメスになるわけではない。

漁獲

身近な海域に生息する大型魚だけに、昔から食用として漁獲されてきた。

釣り
近場に生息する魚ですが、釣るのが難しく、奥の深い釣りの対象魚として人気がある。釣り方も色々ある。上から落ちてくる物体に喰いつく性質を利用した「ヘチ釣り」、エビを米糠で包む「紀州釣り」など、餌釣りの技法もある。磯での夏の黒鯛は、冬のメジナと並び人気の魚である。また、近年はチニングと呼ばれるルアー釣りで狙う方法も現れた。
餌はオキアミやカニが一般的だが、甲殻類に始まり、ゴカイ、海藻類、小魚、貝類、サナギ、トウモロコシやスイカやミカンなど何でも使える。海中に存在しないエサは他の魚は食べないので、夏などのエサ盗り対策に有効手段として利用される。

食材

身は歯ごたえがある白身で、特に旬を迎えた夏頃の身はマダイにも劣らない美味とされる。刺身、洗い、塩焼き、煮付けなど白身で作る料理にできる。

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